・スピード、更に上げていく必要ありと思う。
・負けて兜の緒を締めよ。
・レフェリングは我々に有利に行われるものでは無いという
基本原理を再確認しよう。
等々力、たくさんの思い出がしみ込んだその場所。ここを古戦場に
例えると、多くの先人の屍と無念が眠る場所であり、そして栄光の
川崎フロンターレの多くの武将の立派な銅像が並ぶ端でひっそりと、
有馬と信義のモニュメントがに建っている、そんな場所に思えます。
更に昨日、久木野の像が加わるはずでしたが、残念ながらその
栄光はスルリと逃げ、またも屍を重ねてしまいました。しかし敗軍
においても得た戦果はあったと思います。
さて、切り替えのスピードに注目して観戦したこの試合でしたが、
キックオフ直後から一方的に川崎さんが圧倒する展開になります。
川崎さんのパスワークの前に対応が遅れ、ミドルも想定より遠く
から打たれたものが枠をかすめます。序盤の10分で少なく見積
もって黒津に2点は取られたぐらいのインパクトで攻め込まれます
が、運よく枠を外した事で序盤の先制パンチをかわす事が出来ま
した。
局面でのスピードは早いものの、ジュニーニョと黒津のダブル
ストライカーを擁し遅攻で崩そうとする川崎さんのトータルとしての
スピード感に、横浜は意外と早く対応できました。他のカードを
見る限りキープ力も差がつく要素ですが、この試合は渡邉の
対人の強さ、うまさと、相手に真性のポストプレイヤーがいない事
から前線の危険な時間帯は比較的長くは続かなかったと思います。
ボールを握り、人数をかけ崩しにかかる川崎さんだけに、一旦
我々がボールを握ると前にスペースがある場面が多かったのも
確かです。結果として川崎さんの19本のシュートに対し我々も
16本。縦パスもかなり攻めたものが多くシュートまでたどり着か
なかった場面も多かったので、攻めに対する判断の早さ、スピード
の速さがもっともっとあっていいなと思いました。これはもちろん、
J1レベルで考えた事ですが、J1上位である川崎さんと戦って
初めて実感できた事だと思います。難波、カイオ、八角らの無駄
走りにパスが来ない、または折角のパスに彼らが追いつけない、
実に勿体無い場面でしたし、前半のセットプレーで前を取れた
渡邉が上にふかしてしまうなど、本当に勿体無い場面が多かった
と思います。こう思えるぐらい、勝負は拮抗していたと思います。
(モチロン憲剛抜き、中2日のハンデは承知しています。)
前半は0−0。紆余曲折ありましたが我々にとって理想の展開で
す。
後半も入りは不安定だったものの、すぐ持ち直した横浜。中2日
の試合で運動量が落ちると予想したのか、エデル投入でスピード
を生かそうとしますが、ここをあっさりと対応されてしまった点は
痛かったなと思います。そして高地と久木野の交代。これは個人的
に効果があったなと思うのは、横浜のパス回しのスピードの中で
「句読点」となって待ちの姿勢となっていた高地が退き、テンポが
上がる事が予想された事と、FWからサイドへエデルが下がる事で
エデルの存在感が光るのでは?と言う事でした。
しかし、最大の効果は久木野の投入そのものでした。高地に代わ
り前線での溜め役となった武岡がキープから、上がってきた柳沢へ
戻し、彼の武器のアーリーに頭で応えたのが久木野。無骨に放った
ヘッドはスローモーションの様にネットを揺らします。横浜先制。
その洗練されないヘディングは、監督好みでは無いのかなぁとも
思ってしまった感じの「恩返し弾」で、横浜が勝利をグイっと引き寄
せます。久木野の未来も拓けたのでは?そう思いました。
そこからの同点弾、そしてファインな勝ち越しゴールについては、
ここは横浜系blogですので多くは語りません。これが産みの苦しみ
なんだなぁと思います。アクシデント時の早期の対応と集中力を戻
す鍛錬、苦しい時間帯でも寄せる精神力、まだまだやる事は多いで
す。
この試合の結果を能力差も含め経験値の差とするならば、
我々がこの日得た経験値も大きかったと思います。試合後のインタ
ビューで「過大評価」と言う言葉が多く躍っていましたが、我々も延長
まで戦ったという結果を「過大評価」せず、でも経験値を得て次の
試合へ繋げてくれればと思います。
審判の判定についての原理は、最初の項目で書いたとおり。
比較的接触プレーに辛い主審の笛の基準を早めに理解し、その
基準の変わり目も早々に理解した選手の判断と学習能力は凄かっ
たと思います。そして副審の毅然としたジャッジは、非常に高得点
の評価だったと思います。後は我々が不満をぶちまける前に、
選手を鼓舞する動きにもっともっと早く移る様にマインドチェンジでき
れば、と思います。これは自分自身への釘刺しでもあります。
日高主審に学んだ事、生かさないとあの5月のゲームはいつまで
経っても犬死したままになってしまいますよ。